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〜マザーアースクラブの有機栽培メック農園の取り組み〜

活動事業001:環境保全型農業の推進

マザーアースクラブは、自然が豊かに残る静岡県賀茂郡南伊豆町で、
環境保全型農業の実践による地域の環境保全と活性化の取り組みを推進しています。

南伊豆町は 、静岡県の伊豆半島最南端に位置する、海と温泉の町として観光が主な産業の町です。
人口は、約1万人、そのうち30%強が観光産業に就業しています。
農業や水産業等の第一次産業に従事している人口は10%未満で、農業人口は約700人、そのうち専業農家数は約70軒と非常に少なく、65才以上の高齢者の人口は、静岡県内第3位の3000人以上となっています。

マザーアースクラブは、今から約10年前、私、石川憲一が中心となって、農薬を使用せず、有機質肥料のみを使用して、極力環境負担の少ない農業を行なって、付加価値の高い農産物を生産販売しようと、地域の農家30軒(ほどんどが兼業農家)に声をかけて、菜花やカボチャの生産を始めました。
現在は、約6haの自社栽培圃場と、ほぼ同面積の依託栽培圃場で、主に冬場に菜花を栽培し、首都圏の生協、オーガニックショップ等に販売していますが、最近では有機栽培に理解のある市場等にも販売先を広げています。

そして、平成18年、農業生産法人、有限会社マザーアースクラブとして法人化しました。

今後、環境保全型農業の振興を通じて、南伊豆産の流通量の拡大、地域の活性化を行なっていきたいと思っています。

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マザーアースクラブの農産物は、原則として化学合成農薬を使用していません。
また、肥料には、有機質肥料以外の物は使用していません。
当初、有機質資材を使用して堆肥作りを行ない畑に入れていましたが、現在は、有機質資材と併用して微生物堆肥を使用して畑で直に発酵させて土作りを行なっています。
過分な流失肥料を極力抑える為に、現在では初期に比べて肥料の使用量はほぼ半分になっています。

また、当社が契約栽培を依託している農家でも、全く同じように農薬不使用、有機質肥料栽培の農作を行なってもらっているので、現在15人が、環境に配慮しつつ生産力を維持・増進することができ、バランスがとれた農法である『土作り』『減化学肥料』『減化学農薬』の3つの技術に一体的に取り組む為に『持続性の高い農業生産方式』の導入計画を作り、都道府県知事が認定する『エコファーマー』(菜花/カボチャ)を取得しています。

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平成15年より、南伊豆町農業振興会の中に有機農業の普及をはかる為の部会、『有機農業研究部会』(現:菜の花研究部会)を立ち上げました。
また、ほぼ同時期に、静岡県菜の花循環システムネットワークに南伊豆町農業振興会として参加し、菜の花循環システム検討委員を勤めています。

南伊豆町では、休耕田に菜の花を咲かせて、早咲きの桜と共に、2月に『みなみの桜と菜の花まつり』を行なっておりますが、昨年は、ただ花を咲かせる観光利用だけではなく、何かもう少し循環の見える事を進めようと、咲き終わった菜の花をコンバインで刈り取り、収穫した種子をバイオ燃料の原料に使用してもらうおうと、静岡県トラック協会に購入していただきました。
この景観用の葉の花畑の耕作や、当社のすべてのディーゼル機械は、バイオディーゼル燃料で稼働しています。
また、南伊豆町では、一部の事業所や給食センターから出る廃食油を回収し、BDFに加工し、公用車やマイクロバス等は、このバイオディーゼルを使用して走らせています。

そして、南伊豆町では、来年度より(平成19年度)廃食油の分別回収が本格的に始まる予定です。

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当社では、昨年より首都圏の産業廃棄物処理会社と、事業所より出る生ゴミ(残飯)をコンポストで処理した物を乾燥肥料として畑や竹林に散布しての栽培をおこなっております。
今後、この肥料を再醗酵させて、堆肥化した物を利用して野菜の栽培、そして、系列のレストランで利用したいと思っています。

また、今後、南伊豆地域の事業所(ホテル/旅館等)で出る生ゴミを堆肥化するプラントの建設に向けて努力していきたいと思っております。
この事によって、先程の廃食油の回収と合わせて南伊豆地域の循環が出来るよう努力します。
具体的なアイディアとしては、地域で出る生ゴミを分別回収し、回収に協力していただいた方には、生ゴミで作った肥料を配布したり、事業所等では、回収した生ゴミで生産した野菜を使っていただく等、色々考えられます。

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当社は卸売りが主なこともあり、直接消費者の方々とふれあう機会があまり有りませんでしたが、昨年より、東京代々木で行なわれているアースデイマーケットに参加して、消費者の方々との交流を深めております。

また、このマーケットは、基本的には環境循環型の農法を実践している店が多く出店していますので、いろいろと情報交換等もしています。
消費者との交流を持つ中で、当社の取り組みに興味を持つ方々からの『農業体験をしてみたい!』という問い合わせも増えています。
今後このようなマーケットには、積極的に出店していきたいと考えております。

昨年の法人化を機会にホームページのリニューアルも行ないました。
ホームページでは、当社の生産物の紹介や、有機農法、南伊豆に着いてのブログなども発信していきます。

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南伊豆は、たいへんお年寄りの多い地域です。
地主の高齢化にしたがって耕作出来なくなった田んぼや畑がどんどん増えつつ有ります。
まわりを見渡してみますと、私が南伊豆に来た頃に比べて随分と耕作放棄地がふえてきたように感じます。
マザーアースクラブの畑は、そのほとんどがそういう耕作出来なくなったところをお借りして使用しています。

約15年程前までは、南伊豆の竹の子と言えば一つのブランドとして名前が通っていたそうです。
事実7〜8年前までは、竹の子の時期には、毎日大型車が竹の子を満載して市場に走っていました。
現在では、竹の子や間の所有者の高齢化や、特に猪の食害等により、地元の市場に少し出荷されるだけになってしまいました。
この衰退して荒れ放題の竹林を何とかしようと、平成17年に竹林組合を組織して約3haの竹林を整備しました。
今後、南伊豆の竹の子ブランドの復活に向けて、整備面積を広げていきたいと思っています。

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環境保全型農業による野菜生産を行なう事で、生産物に付加価値をつけ、生産者の収入を少しでも増やし、生産者の増加をはかる。
高齢者にも出来る形の農業形態、たとえば、耕運作業や草刈り、収穫後のパック詰めなどを代わりに行なうシステムの構築、そして、それらの作業を依託しても生産者の手許に収入が残るような価格の設定。
小面積の畑で生産しても、多人数の生産になれば、かなりの生産面積が確保できると思います。
ただ今後の課題としては、生産物の集荷システムをどうするか、また出荷システムについても同じです。
南伊豆地域は、首都圏に野菜を出荷した場合、到着日数や配送料において、九州から出荷した場合に近い条件になってしまうのです。

私のところにも、新規で就農したいという若者が、今まで十数人来ております。
また今後増えていくであろう、団塊世代の田舎暮らし希望者の方々もすでにかなりの人数が訪ねていらしています。
田舎暮らし派のみなさんには、最初小さな畑で野菜を作っていただき、だんだんに荒廃農地を開墾して耕作面積を増やしてもらえれば、南伊豆の荒廃農地の減少にもつながるのではないかと思います。

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南伊豆町では、町の入り口にある日野地域の休耕田(約3ha)を利用して、観賞用の菜の花を咲かせ、早咲きの桜と共に冬場(2〜3月)の観光客が少ない時期に、バスツアー等の大勢の観光客を集めています。
当社でも葉の花畑のトラクター作業や借り倒し作業等で協力していますが、これからは、花を咲かせてお客様を集めるだけでなく、もう少し循環を考えたイベントを行なうべきだと思っています。
昨年は、菜の花部会として菜の花の種子を採取して燃料用に販売しましたが、今後、景観用の菜の花の種子の販売や、小規模の搾油所を設けてのマイオイル作りなど、循環と経済がうまく噛み合う事が出来るように計画していきたいと思っています。
菜の花循環システムというのは、菜の花をシンボルとして、地域の循環や環境を見直すことです。 私たちは、菜種栽培や、廃油の回収、耕作放棄地(田んぼ・畑)の活用等を行ないながら、いろいろな方向から地域を活性化させていきたいと考えています。

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今後、作業受託システムの確率を行ない、作業を受託できる仲間を増やし、団塊世代の方や、新規就農希望の方のための農業体験セミナー(短期・中期・長期)の推進、安心して食べられる野菜作り講座等、環境保全型農業を、いっそう理解していただく為の勉強会を行なっていく事で、南伊豆地域を今よりもっと良い環境で次の世代に渡すために、努力していきたいと思っています。

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有限会社マザーアースクラブ
代表取締役 
石川憲一

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